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100TH ANNIVERSARY

おかげさまで創業100周年

このたび、弊社は創業100周年を迎えました。
祖父が小さな精肉店を開いて以来、昭和、平成、令和と、時代とお客様に寄り添いながら歩みを重ねてまいりました。

私たちは、国内自社ブランド肉をはじめ、世界各国から厳選した食肉や自社加工品、輸入の非加熱食肉製品まで、
素材・味覚・感性にこだわり、これからも価値ある商品づくりを続けてまいります。
柔軟に新しい技術やサービスを取り入れつつ、大切な本質は決して見失わず、美味しさと安全を食卓に届ける——それが私たちの信念です。

これからも、安心で高品質な商品と、日々の食卓を少し特別にする美味しさを提供する企業であり続けます。
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

代表取締役社長

斎藤 克巳

INTERVIEW

創業100周年記念インタビュー

「三方よし」の精神で、
次の100年も食卓へ最高の感動を

大正14年、平塚の地で「新貴亭」として産声を上げたサイトウミート。激動の時代を駆け抜け、2025年に創業100周年を迎えました。
卸売から製造、そして直営店やオンラインショップまで、形を変えながらも守り続けてきた「サイトウミートのこだわり」について、
社長、副社長のお二人にお話を伺いました。

100年を支えた
「商売の根本」と大きな転換点

取締役社長・斎藤 克巳

── 創業100周年、誠におめでとうございます。創業から100年、ずっと変えずに守ってきた「譲れない精神」についてお聞かせ下さい。

社長:ありがとうございます。改めて振り返ると、100年というのは本当に長い年月ですね。私が関わり始めてからでも40年ほどになりますが、時代は目まぐるしく変化してきました。

その中でずっと大切にしてきたのは、近江商人の言葉にある「三方よし(売り手よし、買い手よし、世間よし)」という商売の根本です。会社として利益を出すのはもちろんですが、お客様に良い商品を提供して喜んでいただくこと、そして地域の雇用を含め社会に貢献すること。この信条だけは、代々譲らずにやってきたつもりです。

取締役副社長・斎藤 正吾

── 高度経済成長やバブルなど、時代の波が押し寄せる中で、会社の基礎を作った転機やエピソードについて教えていただけますでしょうか。

副社長:大げさな話ではありませんが、弊社は元々食肉の卸業からスタートしました。しかし、時代の変化とともに、さらなる発展を目指し、ハムやソーセージといった加工品の製造や、生ハムのスライス加工などを手がけるようになりました。

時代ごとに肉屋も変化していかなければならない中で、生産者と直接繋がりを持ってお肉を確保し、加工品として一般のお客様に提供するという形で、変化を積み重ねて現在に至っています。

── 「生ハムの輸入」は、大きなトピックだったのではないでしょうか?

副社長:そうですね。1996年頃にイタリアのパルマハムが輸入解禁になったことが、間違いなく大きな転機になりました。

当時、生ハムのスライス加工をしている会社が他になかったため、弊社に加工のお話をいただいたのです。先代の会長が「面白いかな」と興味を持ち、事業がスタートしました。当時は日本で生ハムを扱っている会社自体が少なく、一般のお客様にも全く普及していなかったのですが、それから時がたち、今では普通の食卓に並ぶようになり、加工量も増えて現在に至っています。

── その当時のお客様は、どのような印象を持たれたのでしょうか?

副社長:当時は日本に本場の生ハムというものがありませんでした。国内メーカーが作る「ラックスハム」と呼ばれるものはありましたが、海外から入ってくる生ハムとは作り方から根本的に全く違うものだったため、最初は一般のお客様にはなかなか理解されませんでした。

しかし、グルメブームが到来し、徐々に情報が広がる中で少しずつ受け入れられ、今ではワインと一緒にお酒の席で楽しまれるなど、弊社の直営ショップでも普通に販売させていただくまで定着しました。

── 海外の事情で輸入禁止になるといった困難もあったと思いますが、どのように乗り越えてこられたのでしょうか?

副社長:弊社はサプライヤーさんから素材をお預かりして加工する立場ですので、現地の業者と直接やり取りをしているわけではありません。しかし、過去の口蹄疫や今回のアフリカ豚熱など、世界中で動物の病気が発生すると日本へ輸入ができなくなってしまいます。

その度にサプライヤーさんも大変な思いをされていますし、最近もスペインでアフリカ豚熱が発生して騒ぎになりましたが、代替品を見つけるなど何らかの形で対応し、どうにか乗り越えてきています。

人間もそうですが、動物の病気への対応も本当に大変な時代だと感じています。

美味しさの裏側にある
「絆」と「手仕事」

── サイトウミートさんの肉はなぜ美味しいのか。その理由の一つに生産者さんとの強い絆があるとお聞きしました。

社長:確かに、市場で買えば安い豚肉を手に入れることはできます。しかし、昔からお付き合いのあった地元の小さな農場さんが、後継者不足や飼料の高騰などの問題で次々と廃業されていくという背景がありました。そこで、将来にわたる長い目で見たときに「安定した供給先」を確保することが重要だと考えたのです。

曽我の屋農興さま

色々と調べた結果、地元で昔からお付き合いがあり、大規模経営で状況も安定している「曽我の屋農興さま」としっかりお付き合いをしていくのが良いという結論に至りました。いろんなところから安く仕入れるのではなく、ある程度仕入れ先を絞って、安定供給できる農場さんとお付き合いしていくという道を選んだのです。

伊藤農場さまは、沖縄県の島豚や黒豚など、特別な豚を生産されています。こうした特殊な豚は他社との「差別化」ができる商材になるため、近年になってお付き合いを始めさせていただきました。

伊藤農場さま

一方、牛に関しては、横浜の市場を通じて「安定して質の良いものを作れる生産者様」を探していたところ、菅野牧場さまにたどり着きました。市場の方と一緒に見学へ行ったのですが、菅野牧場さまは、ずば抜けて質の良い牛を育てる特別な技術をお持ちだったのです。同じ飼料を使用している他の生産者さんと比べても圧倒的でした。

質の良いものを安定して作れる先を探していた私たちにとってまさに理想的な出会いであり、菅野牧場さまとはもう20年ほどのお付き合いになります。

菅野牧場さま

── パートナーである生産者様とは、共に高め合うような関係性なのでしょうか?

社長:こちらから「こういう風に作ってほしい」と委託して作っていただくことも不可能ではありませんが、コストの面などを考えるとやはり難しい部分があります。ですから、私たちの方からあまり口出しはしないようにしています。専門のことは専門家である生産者さんにお任せするのが一番です。

「高い品質のものを作っていただく」と全面的に信頼してお任せするスタイルをとっています。

── その結果、提供されているお肉の評判はいかがですか?

社長:はい、すごく良い評判をいただいています。生産者の方々が作ってくださる美味しいお肉が、結果的にお客様からの高い評価に繋がっています。

── 国際ハムソーセージのコンテストでの受賞や、職人さんの海外派遣など素晴らしい実績をお持ちです。ずばり、他社製品との決定的な違いや差別化のポイントを教えてください。

副社長:最大のポイントは、生産者から直接フレッシュな原料を仕入れ、一貫して加工している点だと思います。通常のメーカーさんですと加工された国産品や輸入品の原料を使うことが多いですが、弊社では指定生産者の牛肉、豚肉を枝肉の状態で工場に搬入し、自社の職人が現場でカットしています。

他社と何が一番違うかというと、圧倒的な「鮮度感」です。フレッシュな原料を使い、敷地内の工場で1週間以内に加工して製品化しているのが最大の強みだと思っています。また、ヨーロッパの高品質な豚肉を輸入して自社で加工している点も差別化に繋がっています。

高齢化が進む中で、若い人を育てて世代交代をしていかなければならないという課題があります。そこで数年前にうちの若手を、ソーセージの本場であるドイツへ3年ほど修行に行かせました。「マイスター」までは届きませんでしたが、現地で「ゲゼレ」という資格を取得して帰国し、現在では社内の若手や熟練スタッフに本場の技術を教えています。

弊社はもともと食肉卸からスタートしましたが、こうした技術の向上もあり、ここ数年でメーカーとしての側面がすごく大きくなってきているのが現状です。

── シェフの方からのアドバイスを取り入れ商品開発をされていると伺いました。

副社長:シェフの方々と一緒にコラボした商品を作り、お客様にご提案するという取り組みも行っています。プロの料理人の意見を取り入れることで、単なる工場製品ではなく、料理として完成度の高い食肉加工品を作ることができます。

シェフのアイデアをうまく取り入れて自社で加工するという流れは年々増えており、今後も積極的に取り入れていきたいと考えています。

未来への約束。次の100年も
「最高の食体験を食卓に」

── これからの100年、サイトウミートはどのような進化を遂げていくのでしょうか?

副社長:物づくりの観点から言うと、「自分たちが作りたいものを押し付ける」のではなく、「お客様が欲しいものをタイムリーにお作りして、ご提案する」というスタンスを大切にしています。

最終的な商品の価値はお客様が感じるものですから、お客様が喜ばれるものをタイムリーに提供することが、結果的に取引先様のメリットにもつながると考えています。

── お客様の要望を捉えるために、具体的にどのような取り組みをされているのでしょうか?

副社長:そうですね。工場でモノを作る人間の目線と、例えば料理人さんなどのお客様の目線は全然違うんですよね。工場にいるとどうしても一般的なハムやソーセージしか思い浮かばないのですが、料理人の方や様々な業種のお客様の意見をお聞きすると、目線が全く違うので新しい発想を取り入れることができます。

「あ、こんな作り方もできるんだ」とお客様から色々と教えていただくことは非常に多く、そうした積み重ねと勉強の上に今の私たちが成り立っています。

── 鎌倉の直営店やオンラインショップの役割をお教えください。

副社長:鎌倉のお店は立地も良く、私たちの情報を発信する「アンテナショップ」としての役割を果たしています。鎌倉のお店と本社のショップの両方で様々なものを作り、お肉も含めて発信していくのが基本のスタンスです。

オンラインショップについては、コロナ禍で食肉卸や加工品の商売のあり方が変わる中、「何か新しいことに取り組まないといけない」と考え、約5年前にEC事業部を立ち上げました。

この5年間でいろいろな情報を発信できるようになり、それを見た全国のお客様から直接コメントをいただけるようになったのは本当にありがたいことでした。

EC事業を始めて本当に良かったと思っていますし、今後はEC事業や実店舗での卸も含めて、BtoC向けの情報をどんどん積極的に発信していきたいと思っています。

── 次の100年に向けて、どのような取り組みやビジョンをお持ちでしょうか?

社長:既存の事業はだいぶ安定してきていますが、今後はショップなどを含め、お客様に幅広く提供していける環境をもう少し増やしていきたいと考えています。

ただ、それを実現するには「人」の問題が非常に大きいです。私たちの仕事は専門職であり、機械ではできない技術がたくさんあります。専門の技術を持った人を積極的に育てていかなければ、次の世代へ技術を継承できません。そのため、昨年あたりから少しずつ若い人材に入社をしていただくよう、毎年定期的に雇用していく取り組みを始めました。

10年、20年、50年先へと繋がっていくような人材を育てていきたいと思っています。

── 最後に、地元・平塚への想いをお聞かせください。

社長:今お話しした「人材の雇用」も、地域への貢献のひとつだと考えています。若者を育て、従業員が誇りを持って働ける環境を作ること。それが結果として、地域を支えることに繋がると信じています。

次の100年も、情熱を持って豊かな食文化を支えていきたいですね。

── 長きにわたる信頼の裏には、確かな技術とお客様への真摯な思いがあることが伝わってきました。本日は貴重なお話をありがとうございました。

STORY

1925 (大正14年)

神奈川県平塚市宮の前に斎藤卯一が精肉店を創業

1952 (昭和27年)

株式会社に改組、社名を斎藤畜産株式会社とする

1975 (昭和50年)

卸売部門を分社化、平塚市寺田縄にサイトウミート流通センター開設

1978 (昭和53年)

食肉加工品工場開設

1989 (平成元年)

非加熱食肉製品専用スライス工場開設

1998 (平成10年)

直売所「オークハウス235」開設

2020 (令和2年)

オンライン販売事業スタート

2022 (令和4年)

IFFA日本食肉加工コンテストでメッツゲライドイツソーセージ5種が金賞を受賞

2023 (令和5年)

パテ・ド・カンパーニュが湘南ひらつか推奨品に認定

2025 (令和7年)

株式移転により持株会社(SHD)設立